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気象庁は23日、東京で桜が開花したと発表 ソメイヨシノの老木化の懸念も

気象庁は23日、東京で桜が開花したと発表

気象庁は23日、東京で桜が開花したと発表した。東京・九段の靖国神社にある標本木で午前11時ごろ、花が咲いているのを職員が確認した。平年より3日早く、昨年より2日早い。

気象庁は23日、東京都千代田区の靖国神社で桜が開花したと発表した。平年より3日、昨年より2日早い開花。

 

だが、都内の花見の名所ではソメイヨシノの老木化が懸念されている。「60年寿命説」もあり、1964年の東京五輪前後に植えられた木が、2020年五輪ごろにちょうど“寿命”に。倒木の危険から伐採を計画する自治体と保護を求める住民側の対立も出てきた。


 ◇倒木と60年寿命説、危険増加

 JR中央線・国立駅前から延びるサクラ並木が有名な国立市。それと交差する「さくら通り」は、約50年前にソメイヨシノ約180本が植えられ、春は花のトンネルが目を楽しませる。だが11年、腐った木が倒れて車を直撃する事故が発生。歩道も盛り上がった根によるでこぼこが目立ち、市は道路改修に合わせて16年度までに並木の半数を、残りは10年以内にすべて植え替える計画を立てた。

 これに市民の一部から「歴史的な景観が失われる」と反発の声が上がった。市は伐採を倒木などの危険がある34本にとどめる計画に改めたが、今年1月にはサクラ4本を切ろうとした市職員らに約20人が抗議し、作業が中断した。

 一方、沿道の高齢者からは「歩く時に危ない」との声もあり、市は今月に入って、今季の花見シーズン後に伐採を再開する方針を決めた。だが、木の延命策などについてさらに話し合いを求める住民側との溝は埋まっていない。

 都の13年調査によると、都内の街路樹約84万本のうち、約5%の4万4000本がサクラ類。品種別の統計はないが、東京が発祥のソメイヨシノが大半とみられる。特に植樹が進んだのが、五輪を控えて緑化活動が盛んになった昭和30年代。毎年、大勢の花見客が訪れる上野公園(台東区)の中央園路や千鳥ケ淵(千代田区)のサクラ並木もこの時期に整備が始まった。

 だが、元都職員で日本樹木医会長の椎名豊勝さん(70)によると「ソメイヨシノは街路樹には不向き」という。ヤマザクラなどと比べて成長が早い分、衰えも早い。巨木化して横に広がるため枝切りが欠かせず、切り口から病原菌が入りやすい。一部の専門書でも紹介されている「60年寿命説」について、椎名さんは「科学的根拠は薄い」と否定的だが「東京のサクラ全体が老い、病気がちになったのは確かだ」と語る。

さらにサクラ類は、同じ土壌に新しい木を植えても育ちにくい。街路樹は場所の制約が多く、世代交代は簡単ではない。椎名さんは「サクラとの付き合い方を地域ぐるみで考え、議論すべき時期だ」と訴える。

 府中市は毎年約20万人が花見に訪れる「桜通り」の老木化対策として、住民代表や樹木医らを交えた協議会を設置。20年かけて、約300本すべてをソメイヨシノ以外のサクラに土ごと植え替える方針を決めた。目黒区は、区内の約2300本の4割以上が10年以内に樹齢60年を迎えるため、保護と植え替えの寄付金を募っている。

 街路樹に詳しい藤井英二郎・千葉大教授(環境植栽学)は「木は土壌改良や早い時期の剪定など適切な管理で長生きさせることができる。街路樹や公園の木は防災にも役に立ち、20年五輪に向けて今ある都市の緑を大切に育てる街づくりを進めてほしい」と話す。

 ◇ソメイヨシノ

 明治初期に東京・染井村(現在の豊島区駒込付近)の植木商人が売り出し、全国に広まった。現存する木はすべて挿し木や接ぎ木によるクローン。遺伝子が同一なため、同じ条件下で一斉に開花する。