春夏秋冬・喜怒哀楽 今日の私のココロ模様

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高知県で保育園の行事 母の日と父の日 「ファミリーデー」に

母の日と父の日が消える? 高知県で保育園の行事が減少 

 クリスマスや敬老の日と共に年中行事として定着している5月の「母の日」と6月の「父の日」。かつて保育園や小学校では似顔絵描きや工作が定番だったが、高知県内では近年、そうした行事を取りやめる動きが広がっている。


 5月下旬、高知市内のある保育園で、園児たちが厚紙で作った額縁に飾り付けをした。カラフルなシールやテープを貼ったり、ペンで模様を描いたり。額縁の中に収められた写真は、父母がそろっているものもあれば、母親と子どもだけのものもある。

 この保育園は今年から母の日と父の日の行事を取りやめた。代わりに両方の中間に当たる6月初旬を「ファミリーデー」に設定し、家族へのプレゼントを作っているのだ。

 他にも母の日と父の日の行事を行っていない所は多い。高知市内に89ある保育園に聞いたところ、約7割に当たる61園が特別なことをしていなかった。

 理由は、大半の保育園が「ひとり親家庭の子どもに寂しい思いをさせるから」だ。母子家庭で育った保育士が「保育園のころに寂しかった。大人になってもこの時期はつらい」と話したことや、保護者会からの申し入れがきっかけになった園もあった。

 実際、20歳未満の子どもを育てる高知県内のひとり親世帯は増加傾向にある。高知県児童家庭課によると、1996年の1万2155世帯から、2015年は1万4701世帯(4月1日時点)に増えた。

 30年以上の保育経験がある園長は「今は0歳児でもひとり親家庭が4分の1を占めるクラスがある」と話す。母子家庭の方が多い(今年は母子1万2506世帯、父子2195世帯)ことから、父の日の行事だけやらない園もある。

 一方、ある保育園は半年近く議論を重ね、行事続行を決めた。園長は言う。

 「両親がそろうのが一つの形だけど、事情があってそうではない家庭もある。子どもたちが自分の家族の在り方を悲観したり、引け目を感じたりしないで生きていけるよう、いろんなパターンのおうちがあると知ってもらう機会にしたい」

 続けるか、やめるか、正解はない。多くの園で「判断が正しいか悩ましい」「今の対応が100パーセント支持されているとはいえない」といった声が聞かれた。多様化する家族の姿に合わせ、父の日や母の日の風景も変わる中、2人の子どもを育てる高知市内のシングルマザー(47)はこう話した。

 「母の日よりも、疲れている時にさりげなく肩をもんでくれたこととか、普段の優しさの方が思い出になっている。日本全国この日というんじゃなくて、その家族だけの一日に思いを確かめる方がいい」